株式会社ファンペップ 様

ファンペップ導入事例

株式会社ファンペップ 経理部長 松尾様

企業紹介

大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業。未だ満たされていない医療ニーズに応えるべく、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチドを医薬品としての実用化することを主要テーマに据え、医薬品のほか市販される医療機器や化粧品なども開発。さらに同社の抗体誘導ペプチドの創製・最適化の開発技術は着実に成果を上げ、他の製薬企業との製品化を実現させています。

  • 内部統制に沿った購買プロセスが面倒
  • 経理担当者にとって月々の締めや棚卸の作業が負担
  • 承認者が不在の場合、購買プロセスが足留めされてしまう
  • 医薬分野に特化した検索で買いたい物がすぐ買えるように
  • 蓄積された購買データを出力するだけで締めや棚卸作業が完了できる

前職からこのシステムを信頼、迷わず導入

主に大阪オフィスに在籍する研究員が「OffSide」を使って研究開発に必要な研究消耗品を購入するために使っていますが、東京オフィスでも事務用品の購入で利用しています。「OffSide」上で直属の上司が購入の承認を行い、発注しています。

2015年に操業を開始しましたが、最初からすべてのシステムを整えてスタートとはいかず、走りながら環境を整備してきました。購買プロセスについても最初の1年間は紙ベースで行っていました。

当時はサプライヤーから見積書をもらい、購入決定後にExcelで注文書を作り、私からサプライヤーへ注文書をFAXして正式発注としていました。大阪と東京でオフィスが離れているので社内でもやり取りが大変でした。出力した書類には大阪の上長が承認印を押し、研究員がスキャンしてメールで添付したあとに私が出力してFAXするなど、本当にアナログな方法で運用していました。

内部統制は疎かにできないので見積書は必ず取ってほしいのですが、現場の研究員にとってはその手続きも非常に面倒です。小規模なベンチャー企業として研究員にはなるべく研究のパフォーマンスを上げてもらいたいのに、研究以外の業務で手間がかかってしまう。経理を統括する私も毎月納品書と請求書の内容をチェックし、それぞれのサプライヤーに支払処理を行うのは時間がかかります。購入品目も増えてきたので研究員と経理担当の効率化のために購買システムを入れたほうがいいと考えました。

実は前職の製薬会社でもトライアンフ21さんとおつき合いがあり「OffSide」の利用経験がありました。だから今の仕事で作業量が増え、購買システム候補で真っ先に頭に浮かんだのが「OffSide」でした。オリジナルカタログから研究員が物品を選択し、ボタン1つで発注できること、支払先が一括になるので経理作業が楽になることは知っていました。

社内を説得するために私が掲げたのは主に3点です。1つ目は他の大手製薬会社でも導入実績があること。これは営業担当の方にお聞きして社内資料に明示しました。2つ目はサプライヤーへのヒアリングで「トライアンフ21は業界に強い」と評価が出ていたこと。私の感覚だけでなく、お取引中のサプライヤーの間で知名度が高まっているなら導入の根拠にできます。3つ目はイニシャルコストや維持費がかからないこと。ベンチャー企業にとって費用の軽減はとても助かります。

ただ、心配だったのはベンチャーのような小さな企業でも使えるかどうかです。お聞きしたところ「オリジナルカタログを作成せず、連携カタログで運用する『ミニマムOffSide』が利用できる」とわかったので、そのプランでお願いしたいと思いました。

前職の製薬会社は規模があり、サプライヤー数も購入金額も大きなものでした。だからこそオリジナルカタログのためにサプライヤーや品目を選定したり、ボリュームディスカウントや特価品を入れたり、年々見直しを行って改訂する意義は高かったと思います。

しかし弊社の場合は規模が小さく、新しい分野を扱うため必要な品目が多岐にわたります。研究員にとっては同じ物品を多く購入して安くするより新しい試薬や備品を幅広く検索できるほうがありがたい。人的・時間的コストを考えると、改訂作業も私たちにとって優先度が低いものです。あえてオリジナルカタログを持たずに研究員の検索や選択に任せる連携カタログ方式のほうが今のニーズに合っていると感じます。

研究に専念できる環境づくりに貢献

2016年9月に社内検討を始めて、11月の経営会議で正式に導入が決まりました。使い始めたのは2017年3月なので準備期間は3カ月ほどです。その間に行ったのは取引があるサプライヤーへのシステム導入のご案内ですが、皆さんすでに他の企業と「OffSide」でのお取引があったので、新規契約が1件もなかったんです。「うちも『OffSide』を使うことになりました」という連絡とシステムを変える手続きだけで済んでしまいました。

そのほか整備したのは、システム上のユーザー設定や、各部門・各プロジェクトのコード設定くらいです。最も大変なのがサプライヤーとの交渉だと思っていたので、ここでも業界内の「OffSide」の強みを実感しました。

拠点が離れている研究員からは、紙のやり取りが減って楽になったと喜ばれています。また医薬分野ならではの検索方法、たとえば構造式・CAS番号・MDL番号・分子式からの検索でも欲しいものを探し出すことができ、すぐ購入できるので便利だといいます。

クラウドサービスなので、海外から承認作業が行えるのも助かっています。紙の文書では承認印をもらいたいタイミングに上長が営業に出ていたり、学会や海外出張で長期不在の場合は購買プロセスが止まっていました。必要な物品が手に入らなければ研究が進みません。「OffSide」で迅速な承認ができるようになって、上長がオフィス不在でも研究への影響はほとんどなくなりました。

経理を取りまとめる私にとっても、購入品目がデータ化されたので棚卸作業が非常に楽になりました。これまでは品目をExcelに手入力していたのですが、今は出力ボタンを押せば一覧がパッと出てきます。ややこしく長い名前や英語名称なども正確に出せるようになりました。それに支払が一本化されたので、請求書は月末にトライアンフ21から送付される1枚で済みます。何十枚もチェックしていた文書がなくなって作業負担が大幅に減りました。今、月末に使用しているのは、郵送で送られてくる請求書と「OffSide」から出力した請求明細データの2種類だけです。

以前のお取引からもう10年近いおつき合いになります。当時から現場の声を聞いてサービスに反映させる姿勢は変わっていないと感じますし、とても信頼しています。今もバージョンアップのたびに説明に来ていただき、疑問点があればそこでお聞きしたりメールなどで気づいた点をお送りしたりしています。システムを信頼しているからこそ「こうなればもっと嬉しい」というポイントはすぐお知らせしています。

ベンチャー企業にとって、効率良く研究ができる環境づくりは欠かせません。購買システムのフォローはもちろんのこと、最近は新しいサプライヤーのご紹介をいただくこともあります。弊社の実績からマッチしそうな企業があれば「こんな製品を扱っている企業はどうでしょう」と声がかかり、実際にお取引が広がり便利になりました。トライアンフ21さんとは、これからも事業に欠かせないパートナーとして長くおつき合いしたいと考えています。

※取材日時:2018年2月