研開業務管理センター 京都業務グループ 渡邉様
企業紹介
財団法人理化学研究所を改組し、1948年に株式会社科学研究所としてスタート。多くのニーズがあったペニシリンやストレプトマイシンの販売に始まり、現在扱っている医薬品は80種類以上にのぼります。共同研究や臨床開発では海外企業とも連携。世界に通用する自社創薬を目指しています。
課題
- FAXを中心とした紙文書のやり取りで、手間がかかっていた
- 相見積りの取得、比較、発注に多くの時間がかかっていた
- 発注後の状況がわからず、購買担当者に問い合わせが多かった
効果
- 画面上で相見積りや発注の一括管理ができ、紙の履歴保存が不要
- 担当者や日時、発注番号の検索から案件がすぐ確認できる
- 購入依頼者自身がステータスを確認、社内の問い合わせが減少
紙中心の管理から、画面一括管理に

貴社では「OffSide」をどんな場面で利用されていますか。
「OffSide」の導入は2015年7月です。当初の導入は本社のほか研究所や工場がある京都事業所と静岡事業所だけでしたが、2016年10月から全社で使っています。社員が必要になったタイミングで「OffSide」から発注入力を行い、上長が承認し、その後に購買担当者の承認を経たあとサプライヤーに正式発注しています。
試薬のほか消耗品、実験動物、文具を購入しており、事務用品のサプライヤーからも購入可能になったので全社で導入できるようになりました。私が購買担当として取りまとめている京都事業所では研究を主体とした事業を行い、数十社とお取引があり、毎月数百件のアイテムを購入しています。
「OffSide」が導入される前は、どんな購入プロセスだったのでしょうか。
自社の購買システムは入っていたのですが、発注自体はFAXで行っていました。まずシステムから見積依頼書や注文書を出力し、FAXで各サプライヤー宛に送付します。その後、サプライヤーからのリファックスを見て見積価格や納期を確認していました。FAXの送受信により発注管理をしていたため、常に紙による管理をしなければならず、当時は1日1人を発注担当で置いていました。
見積依頼書を送ってリファックスが届いても、まだ正式発注ではありません。相見積りを取ったら数社分を比べて発注先を決めます。正式発注するにもまたFAXです。コストを下げるためにはこの見積比較は外せないのですが、当時はFAXによる送受信が普通だと思っていました。
渡邉さんが「OffSide」を知ったのはいつでしたか。
本社から、「OffSide」というwebの購買システムがある、導入を考えているので説明会に出席してほしいといわれたのが最初だと思います。説明で一番記憶に残っているのは「紙がなくなる」という点です。画面上で、見積依頼、発注依頼、納品の確定、入力も含めて全部一つの画面で完結でき、一括で管理できるとのことでした。私たちの仕事が効率的になるツールだ、と感じました。
それまでのシステムでも、発注情報を入力・確認し、内容を出力して見ることはできましたが、「OffSide」ではクラウドデータが蓄積されて、必要な情報を検索、抽出しやすくなります。これで仕事がずいぶん変わるなと思いました。
導入して便利に思われたのはどんなところですか。
画面上で一括して管理できるようになったので、以前のFAX中心の購入プロセスと比べて相見積りは非常に取りやすくなりました。
「OffSide」なら1品目で5社まで画面上で選択し、ボタン1つで見積依頼の連絡が可能です。サプライヤーからの回答が一覧表示され、コメント欄から各社のディスカウント案内やキャンペーンも確認できます。そこから正式発注先を選ぶのもボタン1つです。回答の有無がすぐわかるので、積極的なサプライヤー、リターンが遅いサプライヤーなども比較検討できるようになりました。やはり急いでいる購入はレスポンスが早いところに頼みますし、納期が重要なものは連絡が取れるところを優先します。
また、発注漏れや納品漏れは減りましたし、あった場合でも担当者名や日付、発注番号で検索でき、ステータスが確認できるようになりました。
どのサプライヤーからも統一された書式で届くので、試薬の扱いについて、専門ではない私たちでもすぐわかるようになったのも便利です。要冷凍・要冷蔵、劇物注意など大事な情報は納品書上のアイコンで示されています。情報が整頓されて理解しやすくなりました。
社内の問い合わせ・確認作業が激減した

発注作業をする社員の皆さんの評判はいかがでしたか。
発注した物品について、今どうなっているかを購入依頼者自身で確認できるようになったのは大きいのではないでしょうか。「OffSide」からステータスが確認でき、納品日などの情報も画面上で見られるので、私たちへの問い合わせは減少しました。
以前は正式発注前に購入担当者が「この納期・価格で本当に発注してよいか」を購入依頼者に確認するプロセスもありました。しかし今は「OffSide」の画面上で両者が相見積り結果を確認でき、業者選定を効率的にすることが可能です。問い合わせ数はゼロにはなりませんが、私たちの負担は以前の5分の1くらいに減った実感があります。
かなり作業時間が削減されたと思うのですが、その時間を今はどのように活用されているのでしょうか。
「OffSide」を導入して定常業務の作業が減り、今はサプライヤーの選定や新規サプライヤーの開拓に時間を割けるようになりました。
たとえば「OffSide」の購買データを分析してボリュームディスカウントの交渉材料にしたり、ブランドチェンジでコストダウンの提案をしたり、これからの購買施策に役立てています。感覚ではなく数値で履歴が出せるので説得力があります。
新しいサプライヤー選定にも直接会って交渉が必要ですが、以前はその時間が取れませんでした。時間を効率的に使い、新しい取引によるメリットなどを検討する時間ができました。これも大きなコストダウンにつながるのではないでしょうか。
トライアンフ21の対応についてはいかがでしょうか。
トライアンフ21さんとは定期的に面談しており、年に1回、実績データの分析結果を価格交渉などに役立てています。バイヤーでもサプライヤーでもない中立的な視点でアドバイスをいただけるのはありがたいですね。
新規サプライヤーを紹介いただいたり、また契約時でも、価格が決定すれば導入手続きやカタログへの登録は一手にお任せできるので助かっています。これからもバイヤー、サプライヤー双方にとって使いやすいツールにどんどん進化されるだろうと大いに期待しています。
※取材日時:2018年2月