コラム

コストと効率と信頼と~第3回 市場競争②~

本コラムの趣旨は、当社のOffSideが支持される理由を明らかにする過程を通して、企業の消耗品購買のあり方を考察することです。
MRO購買マーケットの振り返りが暫く続きますが、本筋に戻るまでもう暫くお付き合い下さい。

1.バイヤー企業(購買/IT)+ソフトウェアベンダー/システムインテグレーター
(続き)

 本格的にeマーケットプレイスと呼べるものを日本で最初に立ち上げたのは、2000年10月に設立された日本Aribaではなく、米国Aribaが日本を代表するシステムインテグレーター(SIer)のNECと一緒に設立したプレオマートでした。

 プレオマートは2000年11月に年商370億円を目標に掲げて華々しくデビューしました。しかし、2008年2月にNECの100%子会社となると、翌2009年にNECの他のソリューションと合併してNECパーチェシングサービスとなった後、現在は2014年4月にNECグループの複数社が合併して出来たシェアードサービス会社のNECマネージメントパートナーの1事業となっていることから、単独で事業を展開することは難しかったようです。

 この流れの中、2008年9月にソフトバンクBB(当時)が、間接材購買システム&サービス「PurchaseOne(パーチェスワン)」の提供を開始します。謳い文句は『~コスト削減、内部統制に対応した間接材購買のオールインワンサービス~』でした。ソフトバンクグループは2001年2月にインターネット上でB2Bのリバースオークションを行うディーコープを設立して実績を残していましたが、そこで培ったノウハウを活かして、MRO商材以外のサービスも取扱い、見積代行サービスまで提供することにより、2010年度に顧客数500社、取扱い金額1400億円を達成する計画が発表されました。

 2010年10月に大手ビール会社グループへの全面導入が宣言され、その後もカメラメーカーや空港管理会社への導入が発表されましたが、先の食品グループ内で最大の間接材購買量を有する製薬企業は、今でも当社OffSideを代表するユーザーの一社です。ソフトバンクBBは2015年4月にソフトバンク本体に吸収合併され、現在、PurchaseOneはディーコープの親会社であるソフトバンク コマース&サービスの1事業として継続されています。

 一方Aribaは、プレオマートに札を貼った動きとは別に、日本アリバに資本参加したソフトバンクグループを皮切りに、ソニー、松下電工といった日本の名だたる企業にon-premiseのAriba Buyerを導入して行きます。この中には、当社OffSideの導入を検討していた製薬会社が外国企業に買収され、グローバルで導入したAriba Buyerを使わざるを得なくなったケースも含まれます。
 
 Aribaは前述のACSNをASN(Ariba Supplier Network)と改称して参加企業の数を増やして行くと共に、「電子購買コンソーシアム」を立ち上げて電子カタログの標準化に取組む等2000年代当初は積極的な動きを見せていましたが、上記各社の動向が示すようにマーケット全体が盛り上がりを欠く中、同コンソーシアムは2003年には解散し、各社が導入したAriba Buyerのローカルカタログの管理が重荷となる問題が顕在化し、次第に日本市場でのプレゼンスを落として行くことになります。

 しかし、2018年現在、この流れは一変しており、2012年にSAPに買収されたAribaは日本のMRO購買マーケットを再び席巻する勢いになっています。

 マーケットの最新状況については後ほど改めて触れることとし、当コラムの趣旨に戻り、この激しい市場変化の中で当社が単独で事業を継続している理由を明らかにするために、次回は他のグループの動向を確認することにします。

 

 

ライター 常陰