薬事コラム

現在告示されている最新版の日本薬局方は第十八改正日本薬局方ですが、(令和6年5月現在)

令和6年6月に、第十八改正日本薬局方第2追補の告示が予定されています。

今回は、第2追補案に基づいて改正内容をまとめました。

 目次

  1.日本薬局方について

   >近年の日本薬局方改正のながれ

   >第十八改正日本薬局方作成基本方針

   >薬局方調和国際会議(PDG)

  2.第十八改正日本薬局方第2追補(案)について

日本薬局方は、医薬品の性状及び品質の適正を確保するために定められた医薬品の規格基準書のことで、

下記のように構成されています。

(1)通則

(2)総則 

(3)一般試験法

共通する事項の規定

生薬や製剤の共通ルールを定めたもの 

医薬品各条に共通する試験法、医薬品の品質評価に有用な試験法と、

これに関連する事項を定めたもの

①化学的試験法   ②物理的試験法 ➂粉体物性測定法 ④生物学的試験法   ⑤生薬試験法   ⑥製剤試験法 ⑦ 容器・包装材料試験法            ⑨標準品,標準液,試薬・試液,計量器・用器等

(4)医薬品各条(化学薬品等,生薬等)

(5)参照スペクトル

  ・紫外可視吸収スペクトル

 ・赤外吸収スペクトル

(6)参考情報   

(7)附録

医薬品原薬や製剤の規格を規定したもの

 

日本薬局方は100年有余の歴史があり、

初版は明治19年6月に公布されました。  

今日に至るまで医薬品の開発、試験技術の向上に伴って

改訂が重ねられています。

最新の薬局方(第十八改正日本薬局方)

が告示された後も、検討状況等を勘案して 

・日局18第1追補(令和4年12月告示)

・日局18第2追補(令和6年6月予定)

により追補改正・部分改正が適宜行われています。

研究機関や大学、薬剤師会や各専門家等が意見を出し合い、

内容の見直しを繰り返して日本薬局方を更新しています。

 ※日局17:第十七改正日本薬局方

  日局18:第十八改正日本薬局方

日本薬局方は、基準となる項目に沿って作成されています。

第十八改正日本薬局方は、下記5つの方針を基に作成され、基準に沿うために適宜見直しがされていきます。

第十八改正日本薬局方作成基本方針の中に

“医薬品のグローバル化に対応した国際化の一層の推進”

とあるように、国際調和の活動として、

薬局方調和国際会議(PDG : Pharmacopoeial Discussion Group)

が行われています。

※「日米欧三薬局方検討会議」から「薬局方調和国際会議」に変更(2023年10月)

米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、

インド薬局方(IPC)、日本薬局方(JP)

の間で試験法と医薬品各条についての調和を行います。

  米国薬局方(USP)

  欧州薬局方(EP)

  インド薬局方(IPC)

  日本薬局方(JP)

第十八改正日本薬局方第2追補について公表された案を下記の表にまとめています。

第十八改正日本薬局方第2追補(案)では、

国際化に向けた一層の推進に沿った内容も多数盛り込まれているようです。

令和6年6月に告示される第十八改正日本薬局方第2追補内容を確認し、

改正内容に応じた対応が必要でしょう。

(参考資料)
 ・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 
  https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0001.html
 ・厚生労働省「第十八改正日本薬局方作成基本方針(平成28年8月25日薬事・食品衛生審議会答申)」              
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html
 ・厚生労働省「第十八改正日本薬局方第二追補(案)について」
  https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001193999.pdf